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コンピュータ将棋の進歩〈2〉第6章が物凄くよい
第6章ではYSSという将棋プログラムの詳細で明解な解説が行なわれている.この部分がなければ本書に対する星の数は一つか二つが妥当だろう.データ構造や実際のコーディングのコツから始まって,探索ルール,評価関数の構成,手順の生成など,非常に具体的に,非常に簡潔明瞭に説明されている.20世紀の本なので最新事情は含まれていないはずだが,第6章は実際にプログラムを書こうとする人にとっては今でもものすごく役立つものだろう.この部分は他人が書いた解説書の表面をなぞっただけで書けるようなものではない.「現場にいるエキスパートが上手に説明した」という内容である.



他の章に関して言うと,第1章(詰め将棋プログラム)はかなり具体的な内容のようだけど数学で言う定義の部分がざっくり省略されているので他を参照せずに読めるものではない.残りの部分は実際の開発の現場にいない人でも書けそうな内容.著者の肩書を眺めてみるとそれも納得(たまたま執筆時に手抜きしただけかもしれないけど).6章は肩書が「プログラマ」,1章は「松下電器産業株式会社」,他はお堅い肩書がついていた.



なお、第6章のYSSの詳細は著者の山下宏氏が自身のウェブサイト上に公開しているので、本書を買わなくてももっと新しくもっと詳しい内容を手軽に入手できる。




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